団地で起こる連続小犬失踪事件を巡る異色コメディ映画『ほえる犬は噛まない』

団地で起こる連続小犬失踪事件を中心に個性豊かな人達を描いたコメディ映画『ほえる犬は噛まない』を観たので紹介。
 
第72回カンヌ国際映画祭で最高賞(パルム・ドール)受賞や第92回アカデミー賞で作品賞・監督賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のポンジュノ監督の初長編監督作品で、団地で起こる連続小犬失踪事件を事件を起こす男性の生活と目撃した女性の生活の2つの視点から描く異色コメディ映画。
 
監督はアカデミー受賞監督でもあり『殺人の追憶』『グエムル』など社会風刺的な作品が印象的なポンジュノ監督、主演は『グエムル』や『リンダリンダ』『空気人形』など日本の映画にも出演しているペ・ドゥナ、『サニー永遠の仲間たち』『親切なクムジャさん』などのコ・スヒが出演。
 
★★ストーリー★★ 
中流家庭の住むマンションに暮らすユンジュは、うだつの上がらない大学の非常勤講師で、出産間近の妻ウンシルに養われながら教授を目指している。近頃マンションでは飼うことが禁止されているはずの犬の鳴き声が頻繁に響き、イラついていたユンジュは、たまたま見かけた犬を地下室に閉じ込めてしまう。一方、マンションの管理事務所で働くヒョンナムは、団地に住む少女の愛犬がいなくなったことを知り、迷い犬のビラ貼りを手伝うことに。その犬は手術をしているため吠えないというのが特徴で……。
 
【注目ポイント】
 ・連続小犬失踪事件の結末は?
 ・犬を隠した男の運命は?
 
注目ポイントは是非、作品をレンタルして確認して下さい。
 
★★個人的感想★★
以前から見たかったポンジュノ監督の初長編監督作品をApple TVのレンタルで見つけたので早速鑑賞、観た印象は最近の作品よりアーティスト性の強い感じでヒロインのペ・ドゥナがポップで可愛く映されていたり、団地のマンションを断面的に映す実験的な映像があったりと渋谷のお洒落なミニシアターで公開されてそうな感じの映画でした。
 
団地が舞台の映画でしたが、団地の閉鎖された空間の映像は大友克洋の団地を舞台したSFアクション漫画『童夢』を実写化した様な感じで寂れた雰囲気などが良かったです。個人的には漫画『童夢』をポンジュノ監督で実写化したら面白そうだなと思いました。
 
『パラサイト』や『グエムル』で印象的だった路上に散布される消毒剤のシーンは本作品でも効果的に登場します、しかも本作品では消毒剤の散布シーンが幻想的で映像としても素晴らしかったです。
 
犬を可愛がる文化と犬を食べる文化という矛盾した二つをコメディタッチに描いたポンジュノワールド全開のブラック映画で色々考えさせられる作品でした。
 
本作品も社会風刺満載でブラックな笑いと先の読めないストーリーが見所の映画でしたが、作家性が強い作品なので単館映画が好きな人にオススメな映画て感じがしました。
 
<<作品情報>>
 作品名:ほえる犬は噛まない
 劇場公開日:2003年10月18日
 上映時間:110分
★★ ポン・ジュノ監督作品が観れるVOD★★
(2020/2/23更新情報)
 
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